金継ぎはお皿や陶器が主流ですが、たまたま見つけた、東京の、アクセサリーづくりの金継ぎ教室に行ってきました!
金継ぎピアス・アクセサリーのワークショップ in 東京

Maker’s Base Tokyo
都立大学駅から歩いてすぐの場所にある、可愛いワークショップのお店です。
金継ぎピアス・アクセサリーのワークショップに費やした金額・時間
Maker’s Baseでは金継ぎに限らず、様々なワークショップが開催されており、気軽にオンラインで予約することができます。
(2019年5月の話ですが)今回私が参加した金継ぎピアスワークショップのお値段は、4,320円でした。(両耳用として、ガラス4つ選んだ場合)プラス500円払うと、さらに2個ガラスが選べるそうです。できるだけ価格を抑えたかったので、私は通常の4点のみにしました。(というより、これ以上ガラスを増やすと、重すぎて耳に負担がありそうな気もしました笑)
金継ぎアクセサリー作りに費やした時間ですが、予約した1コマである1.5時間(90分)にもかかわらず、簡単に作れました!実際に手を動かして作る作業の時間はもっと短く、実は90分の内、25分間は、可愛いガラス選びに費やしました…(優柔不断。)
私が選んだガラス4点とデザイン案はこちらです。

金継ぎピアス・アクセサリーの作り方
このワークショップに参加した時、「全てをこの一回で習得してやる!!」と心の中でかなり燃えていて、使ったもの全てをしっかりメモしていました (๑˃̵ᴗ˂̵)و.
①選んだガラスを、接着剤でくっつけます。
2液に分かれている接着剤を1:1で混ぜると硬化が始まるので、混ぜた接着剤をすぐにガラスに付けます。
接着面にぷっくり多めに塗るのが◎
ガラス同士をくっつけたら、固まるまで待ちます(5分くらい)。
②ついに(合成)漆の登場!
下の写真のワシン工芸漆は、かぶれないタイプの漆だそうです。
(そのかわり天然のものではなく、高温は耐えられず、食器に使えないかも、とのこと)

※のちに、これは伝統的な金継ぎではなく、「簡易金継ぎ」と呼ばれる接着剤で簡単に行う、現代版の手法であることを知りました。(この時は「これが金継ぎか~!!」っと思っていました。)
③接着したところに、合成漆を薄く塗ります。
厚く塗りすぎると乾くのに時間がかかってしまうので、薄く塗ることを心がけます。
合成漆を塗った上には、後で金粉をつけることを念頭に置きながら、塗ります。
④ドライヤーで合成漆を少し乾燥させます。(10分くらい)
⑤金粉を、ハケを使って、合成漆の上に塗ります。

⇧ふぐ印の真鍮(この時は、本物の金粉と銀粉と思っていました)
金色と銀色かありますが、私は迷わずオーソドックスな金色を選択しました。(そして、参加者みんな、金を選んでいました)
⑥不要な金粉を取り去る
めん棒に水を付けて、グラスについた余計な金粉をふき取ります。
⑦ピアスのパーツを付ける
できあがったグラスの裏に、ピアスの金具の針を接着剤でつけて、出来上がり(*≧∀≦*)

これ、私が作ったんです!売ってるみたい(*´꒳`*)
普通に買ったら1000円以上しそうな感じです!!
アクセサリーがいっぱい!Makers’ Baseの店内

ハンドメイドでセンスのいい金継ぎピアスやイヤリングがたくさん売られていました。
ワークショップで講師を担当していた若いお姉さんがデモンストレーションのために金継ぎピアスを作っていたので余剰にできた金継ぎを売っているのかもしれません。
他にもMakers’ baseではいろいろなワークショップの作品を販売していました。



金継ぎピアス・アクセサリーのワークショップを終えて
「金継ぎ」という言葉を知ったばかりの未熟な私には、1日完結の金継ぎワークショップを実践して分かったような気持ちになりました。そして、「金継ぎはこんなにかわいいんだー♡」と思える体験でした。
後に、伝統的な金継ぎは1日ではできず、大変奥が深いものだと知ることになりるのですが…(乞うご期待!)
この時は、将来金継ぎに人生を注ぎ、会社をつくるための、素敵な最初の体験になりました(*´꒳`*)
追記:2021.9.27
この記事は、Yukiがまだ金継ぎの会社を設立する前に書いた、金継ぎを知ってまだ初期の時代のブログです。漆を使った伝統的な金継ぎと、「新うるし」とよばれる合成の液剤の違いもまだわかっていなかった頃で、「金継ぎってこんなに簡単にできるんだ!」と目を輝かせて、漆の世界に飛び込んだのです。
金継ぎの世界への入り方はいろいろですが、分断されていたり、割れて粉々になったものをくっつけて、そのつなぎ目を装飾する美しさを知ったきっかけです。また材料が合成で短時間でできることを除けば、根本的にやる工程の大きな流れは、伝統金継ぎも同じです。
この後、自分でもいろいろと金継ぎアクセサリーを作りたいと思い、挑戦した記事を書きました。
(下記リンク一覧)
金継ぎピアス・アクセサリーでよく使われるガラスは、「シーグラス」と呼ばれるものが多いのですが、これがなかなか手に入らないんです。どこかの国で割れた瓶が海に流されて、海の水と砂の摩擦で少しずつ小さくなり角が丸まって、美しく透明な石のようになるんです。
海辺に落ちていて無料で拾えるそうなのですが、海の近くに住んでいるわけではないので気軽に手に入らず、いつか素敵なシーグラスをゲットしたいなぁ、とずっと思っています◎天然石なんかも、かわいいなぁ。
こういった自然の素材で、いつかいろんなものを継いでみたいです^^
追記:2025.4.15
2021年2月に、私は東京・恵比寿に金継ぎ教室の第1店舗目(本店)を構えました。当時は、本物の漆と合成接着剤の違いを調べ尽くしていたので、「私は本物の漆を使った伝統金継ぎ一択の会社にする!」と思っていました。
しかし世の中のニーズを考えると、必ずしもそう決めつけなくても良いのでは?と思うようになってきました。2020年のコロナ前はほとんど知られていなかった「金継ぎ」が、気軽に日常に取り入れられるオシャレな技法だと一般の人に広く知れ渡っていったのは、この簡易金継ぎがあったからだと思っています。
昔から本物の漆芸をされてきた職人さん・伝統的な会社さんからみると、合成接着剤を使った「なんちゃって」金継ぎは敵のような感じで、伝統金継ぎ vs 簡易金継ぎ のような構造が出来上がっていました。そのため、私も、簡易金継ぎに手を出したら、漆をやってる本家 (?) に怒られるんじゃ・・・という恐怖も少しありました。
しかし、「昔から行われてきた金継ぎは漆を使っていて、食器にも安心して使えるけれど、今は合成接着剤があるので、口に触れないモノには合成接着剤で気軽に金継ぎ「風」のアート・DIYを楽しんでもいいんだよ」ときちんと消費者に説明し、分かった上で参加してもらうこと。かなり難しい金継ぎ・手仕事・伝統の奥深さを知ってもらうためのきっかけとして、簡易金継ぎも現代において一定の役割を担っていること(本物の漆は皮膚につくとかぶれるので、お子様と親が一緒に楽しめるアクティビティになりうること)を肌で感じていました。
つぐつぐ内でも、金継ぎ師から「簡易金継ぎはやりたくない」という反発の声もありました。しかし、金継ぎをたくさんの人に身近に感じてもらう・知ってもらう活動として、私は押し切るようにして簡易金継ぎのワークショップをはじめ、今では金継ぎ風イヤリング・ピアス・箸置き・ストラップ作りを世界中の方に楽しんでいただいています。参加されるお客様は、つぐつぐの伝統金継ぎワークショップが人気すぎて予約が取れなかったから簡易金継ぎの方に来たとか、お子様がいてかぶれが心配だからとか、器用ではないので最初から伝統金継ぎにチャレンジするのは怖いのでまずは簡易金継ぎをやってみたいとか…色々なニーズ・キッカケがあって、面白いと思いました。出会うお客様の幅が広がりました。
思い込みを捨ててチャレンジしてみたことで、出会えるお客様が増えて、学びが多いです。簡易金継ぎワークショップに参加された方にも、将来は本物の伝統金継ぎをやってみたい!と思っていただけるようなコンテンツにすることを心がけています。
とはいえ、つぐつぐは、伝統金継ぎを専門としている会社であることは間違いなく、つぐつぐの金継ぎ師曰く、「漆の方が扱いに慣れているので、あえて食器に使えない合成接着剤使う理由もない」とのことですが(笑)。
つぐつぐが、現在、多彩なサービスを行なっているきっかけとなったストーリーを、この記事に書かせていただきました。
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