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42名の外国人/日本人へ金継ぎワークショップ実施しました!

金継ぎ教室つぐつぐが、企業様の研修として42名の外国人/日本人に1時間の出張金継ぎワークショップを実施しましたので、ご報告します!

金継ぎワークショップを企業・団体様がご依頼する理由

今回、つぐつぐ史上最多の参加者に金継ぎワークショップを実施しましたが(つぐつぐの店舗での最大収容人数が13名様までのため)2022年秋・冬ごろからグループで金継ぎワークショップをご依頼されるケースが、増えてきています。つぐつぐにご相談くださる企業・団体様の利用目的は、大きく分けて以下の3つです。

  1. 社員・メンバーのチームビルディングとして
    同じ会社だけどあまり接点がない他部署のメンバーとの交流や、同じ団体に所属している仲間と、非日常の体験を交えていつもと違う一面を発見することで、より仲を深めていただくなど親睦を深める目的でもご利用いただいています。
  2. 外国から訪れている社員・ビジターが日本の伝統文化に触れていただく機会に
    つぐつぐでは、数は多くないですが英語を話せる金継ぎ講師がいます。外国の方が日本に来た時のアクティビティとして、よくある体験とはちょっと違った、日本の思想や文化を象徴する「金継ぎ」を体験していただくことができます。
  3. SDGsや環境問題を考える一環として
    自然の材料だけで室町時代から行われてきた金継ぎを通じて、大量生産・大量消費の現代に、モノを大切にする取り組みとして体験いただけます。

参加者42名!企業・団体向け金継ぎワークショップの内容

コロナ感染症の流行が少し収束に向かい、海外から日本に渡航することも緩和されてきた2022年末、つぐつぐとして過去最多の、42名もの参加者に金継ぎワークショップを行わせていただきました。

今回、つぐつぐが金継ぎワークショップを実施した会社様:
Sopexa Japon(ソペクサジャポン)株式会社 様(東京都渋谷区恵比寿)

偶然にも、つぐつぐ恵比寿本店から徒歩8分のご近所さまでした。

(↑金継ぎワークショップの風景)

つぐつぐには42名もの人数を収容するほどのスペースがないため、企業様の会議室をお借りして、2回に分けて金継ぎワークショップを実施ました(21名ずつを2回)。7〜8名を1グループとして、それぞれのグループに1人の金継ぎ講師が専属でつき、3グループ(21名様)が同時に金継ぎワークショップを行いました。
会議室ではスライドへの映写も可能だったため、私、俣野が会議室の一番前で、書画カメラによる実演を交えながら進行しました。

企業・団体向け金継ぎワークショップの流れ

1時間というコンパクトな時間に、金継ぎの魅力を存分に知って楽しんでいただくため、プレゼンテーションと書画カメラによる実演、専属の金継ぎ師による直接のコミュニケーションを組み合わせて、下記①〜⑤のように進行しました。

① 金継ぎする器(仕上げの一歩手前まで修理された器)を選んで着席

いくつかの器の中から、参加者のお好みの器と、お好みの破損(?!)を吟味して選んでいただきます。写真の器の黒い部分が、参加者に金継ぎしていただく破損部です。欠けを埋めて平らにし、黒漆を塗ってあります。

伝統金継ぎは本来、一つの器を修理するのに何日もかかるため、1時間で最初から最後までの工程を行うことができません。そこでつぐつぐでは、破損した器を、最後の工程の一つ前まで修理しておき、最後の一番楽しい金で仕上げる工程だけ参加者に行っていただいています。参加者が仕上げた器は、後日プレゼントします(塗った漆を乾かさなければいけないため、一旦当社が持って帰り、特別な環境の室に入れて保管します。当日お渡しすることはできません)

② 金継ぎの歴史・背景の紹介

実際に金継ぎ作業に入る前に、まずは背景知識から。「金継ぎ」という言葉を知っていても、それ以上のことはあまり知られていないです。金継ぎがどのようにして生まれたのか、また漆とは何なのか?ちょっとした知識があるのとないのでは、その後の作業の意義の感じ方が違ってくるでしょう。今回の参加者は外国人が半分以上でしたので、全て英語で進行・説明させていただきました。

③ 金継ぎの工程の説明

今回体験していただく工程だけでなく、ここまでどういう作業を行ったのか知りたいと、いつもワークショップ中に質問されます。そこで、仕上げの一歩手前まで、プロの金継ぎ師がどうやって修理したかを簡単に説明しました。参加者には実際の作業に大部分の時間を使っていただきたいので、②と③の説明は合わせて5分間に凝縮し、分かりやすくプレゼンテーションで説明させていただきました。

④いよいよ、参加者が金継ぎ開始!

ステップごとに俣野が前で手元の動きを書画カメラで写して説明し、一斉に作業開始!それぞれのグループについている金継ぎ講師が細かに目を配り、一人一人丁寧に指導して実施していただきました。作業中は手袋を忘れずに!(漆は皮膚につくとかぶれることがあるため、必ずゴム手袋を着用して皮膚を保護していただいています)

金継ぎの仕上げの肝は、弁柄漆をとっても薄く塗ること!そして、塗り残しがないこと!はみ出さないように筆を塗る作業は、集中力を要し、瞑想(メディテーション)に近いものがありました。同じグループの皆様とも親睦を深めていただいたようでした。
そして、全員が金蒔きまで成功しました!!

⑤ まとめ・質疑応答

たくさんの金継ぎの魅力を1時間に凝縮するのは簡単なことではありませんでしたが、参加された皆様と一体感を持って実施させていただき、会の最後にはたくさんの質問をいただき盛況でした。いっぺん通りにただみんなで作業するようなワークショップではなく、金継ぎや漆について、また日本の伝統文化についてより知見を深めていただき、金継ぎ以上のことを持ち帰って頂けたならうれしいです。

大規模金継ぎワークショップ参加者の声

つぐつぐとしては42名もの参加者に出張で金継ぎワークショップを行うのは、初めてのことでした。(遠方での出張金継ぎワークショップイベントは何度か実績がありましたが、これまでは大体4〜6名くらいが多かったです。)
このような貴重な機会を頂けたことを次に生かし、もし次にお役に立てる企業・団体様がいらっしゃった時には、より良い体験を提供するため、今回の参加者の方にアンケートをご依頼し約33%の方からご回答いただきました。

つぐつぐの金継ぎワークショップの満足度・おすすめ度

つぐつぐの金継ぎワークショップに参加したお客様の声

金継ぎワークショップ参加者の感想の一部を紹介します。

It’s a very unique and beautiful art, I felt very lucky to be able to try it myself and hope I will have other opportunities to do it again. Thank you so much!

訳:とてもユニークで美しいアートで、自分でやってみることができてとてもラッキーだと思いましたし、
また他の機会にもやってみたいと思っています。本当にありがとうございました。(外国人参加者)

I learnt a lot and would love to try it again when I have broken plates, the gold add another touch of beauty to the design and its lovely!

訳:とても勉強になったので、お皿が割れたらまたやってみたいです。
金が美しさを増して、素敵なデザインになりました!(外国人参加者)

It was very interesting workshop. And unforgettable moment to experience Japanese culture. Thank you. 🙂

訳:とても興味深いワークショップでした。そして、日本の文化に触れることができた忘れられない瞬間でした。
ありがとうございました。(外国人参加者)

前から興味があったので楽しかったです。これからおうちでお気に入りの器が欠けたりしたら、試してみたいと思います。ありがとうございました。

(日本人参加者)

今後のつぐつぐの金継ぎワークショップ活動について

今回無事に42名様への金継ぎワークショップを実施することができました。何名様まで同時に金継ぎワークショップができるのか未知ではありますが、今後も企業・団体様からご要望があれば前向きに実施したいと思います。

すべてのご要望を叶えられるか分かりませんが、まずは①英語か日本語か、②場所、③日付、④人数を教えていただければと思います。

大規模金継ぎワークショップへのよくある質問

今回大規模な金継ぎワークショップを実施するにあたり、企業様からいただいたご質問とその回答になります。ご検討くださっている方の参考になりましたら幸いです。

何日前に相談すればいいですか?
参加者の人数によりますが、企業・団体様向けのワークショップについては、1ヶ月以上前のご相談をお願いします。(※人数と予約状況によって要相談)

会議室に匂いが充満しますか?
伝統金継ぎで使用する漆は鼻を近づけるとわずかに漆の匂いがしますが、マスクをしていれば気づかない程度です。会議室に充満して臭くなることはありません。(一方、合成接着剤を使った簡易金継ぎでは、化学薬品のような匂いが充満します)

参加者が持ってくるものはありますか?
ありません。汚れても良い動きやすい服でお越しください。

当日、自分の割れた器を金継ぎできますか?
あいにく、ご自身の器を金継ぎしていただくことはできません。つぐつぐが、仕上げの一歩手前まで修理して準備した器を用いて、全員同じ作業をおこなっていただきます。

割れた器を、つぐつぐのプロ金継ぎ師に修理して欲しいのですが…
あいにく、割れた器の修理受付は、ワークショップ中は行っていません。(当社に持ち帰るための緩衝材などの万全な準備ができていないため)ご要望の方は、直接つぐつぐにお持ち込みいただくか、郵送でも承っています。

⑥ 大人数の場合、何日前までに予約を確定させる必要がありますか?
人数の追加は遅くて2週間前まで(ただし、大幅な増加は難しい場合があります)、人数が減る変更は遅くて1週間前までになります。

金継ぎを完成させた器は、いつもらえますか?
お急ぎでなければ1週間ほど当社でしっかりと漆を乾かし、クリーニングをしてお返しします。どうしてもお急ぎの場合はご相談ください。なお、送料は別途かかりますが、当社から国内・海外へ郵送による個別の発送も行っております。

⑧金継ぎワークショップの料金を教えてください。
下記のページをご参照のうえ、最新の金額をお問い合わせください。(交通費などの出張費用が加算されることがあります)

これまで、主につぐつぐまで足を運んでくださるお客様に金継ぎ教室・ワークショップを行ってきましたが、企業・団体様の中でみんなで楽しんでいただく金継ぎも、格別のものでした。
金継ぎは、器を、継いで修理してまた使えるようにするだけではなく、人と人とを結ぶお役に立てるのではと思っています。私たち、つぐつぐはこれからも、金継ぎの魅力を発信していく挑戦を続けます。

お問い合わせ、お待ちしております↓↓↓

企業・団体様ではなく、つぐつぐの工房で個人でのワークショップ参加にご興味がある方はこちら↓↓↓

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