蒔絵

蒔絵(まきえ)ワークショップを実施しました!【東京・浅草】

2023年8月12日(土)、金継ぎつぐつぐ浅草店にて、つぐつぐでは第一回となる蒔絵ワークショップを行いましたので、そのご報告をさせていただきます!

(↑みんな一体感が生まれ、楽しく蒔絵ワークショップを楽しみました!)

蒔絵ワークショップを行った経緯

つぐつぐは2020年3月に創業して以来、金継ぎを中心に活動してきました。
金継ぎファンのみなさまはご存知のように、金継ぎは漆(うるし)を使った伝統技術であり、漆芸の一部です。つぐつぐは密かに、金継ぎのみならず、漆を使った多彩な技法にチャレンジしてきました。

その中で、金継ぎが生まれた歴史の中で忘れてはならないのが、蒔絵(まきえ)の存在です。

蒔絵は、木などの素地に漆を塗り、最後に金粉などで装飾して美しく仕上げる、飛鳥時代ごろから盛んに行われたと言われる技法です。中国でも蒔絵は行われていましたが、日本の技術は古くから非常に高かったそうです。

それよりはるか昔の縄文時代から、漆に接着効果があることは経験的に知られていたようです。
縄文時代晩期の約3500年〜2400年前と推測される泥炭層からは種々の漆器が発見されており、日本の漆工の起源として、この時代から漆を塗る技術があったことが立証されています。(「日本漆工の研究」沢口悟一著、美術出版社より)

平安〜室町時代には中国から磁器が輸入されるようになりますが、その大切な器を割ってしまった時、漆で接着して修復し、蒔絵の技術を応用して修復痕を金粉で装飾し、より優美なものへと昇華されたのです。これが金継ぎです。

簡単に言うと、蒔絵は金継ぎの仕上げの技法なので、蒔絵を練習することは、金継ぎの仕上げの練習にもなります。

つぐつぐでは、金継ぎ教室中に生徒様からよく、「修復中の器のヒビや割れ目の部分しか、漆を塗って金にすることができないの?」という質問をいただいておりました。金継ぎの線以上にデザイン・表現したいのだと思います。しかし釉薬のかかった陶磁器の上に漆を塗ると、つるつるした表面のため、乾いた後でスポンジなどで洗うとすぐに剥がれしまいます。しかし、漆塗りの素地の上なら、漆は定着します。そのため金継ぎを超えてもっと表現したい方に、蒔絵を体験・学んでいただけたら、きっと喜ばれるだろうな・・・と思いながら、初心者が簡単にチャレンジできる方法を考えてきました。

そしてやっと2023年6月に「蒔絵キット」を開発!
蒔絵にもさまざまな種類がありますが、初心者が最も挑戦しやすい「消し蒔絵」と「漆絵」ができる道具・手順書・図案が全て揃ったセットにしました。
この蒔絵キットを、CAMPFIREというクラウドファンディングで先行販売し、おかげさまで133%の成功をおさめ、世に出させていただきました。

今回のワークショップでは、その蒔絵キットを使って、講師の元、体験いただきました!

初めての蒔絵ワークショップ・レポート

今後も蒔絵ワークショップを継続して開催していきたいという思いから、今回のワークショップでは、今後の改善に役立てるため、忌憚のないご意見をいただきアンケートにご協力いただけるモニター様を限定で募集して行いました。その結果、5名様にご参加いただけました!

蒔絵ワークショップに参加した理由

参加された方の動機をお聞きしました!

・蒔絵のワークショプは東京になかなかないと聞いて、やってみたいと感じていたため。

・金継ぎ教室に通い始め、蒔絵ワークショップがあることを知ったので。金継ぎの際に役立つと思って。

・蒔絵キットも魅力的でしたが、ご指導も受けられるなんて最高!と思って

という声をいただきました!そうなんです、蒔絵のレッスンが受けられるところは、東京でもあまり聞いたことがありません。興味を持ってくださっている方がいるのであれば、つぐつぐがお役に立てるのではと感じました!

蒔絵ワークショップに参加いただいた方の背景

金継ぎは再ブームになってきているとはいえニッチですが、蒔絵もさらにニッチですよね…?! どのような方がそもそも蒔絵に興味を持たれるのか、どこで蒔絵を知るのか?探ってみました!

・金継ぎワークショップは体験したことがあったけれど、その時は簡易金継ぎだったので、本格的な金継ぎもやってみたいと思いました。

・金継ぎ教室に通っています。

・金継ぎを習い始めて3年目です。なかなか上達しませんが…

・以前から(蒔絵に)興味がありましたが、機会がありませんでした。

金継ぎの経験がすでにおありのかたが多く、そこで蒔絵について興味を持たれるのですね!つぐつぐでも、金継ぎをきっかけに漆の世界へと入っていく方が多いのを実感しています!また蒔絵を知っていたけど実践できるところがなかった、ということから、つぐつぐが今後お役に立てる可能性を感じています。

蒔絵ワークショップの良かった点

ドキドキしながら聞いてみました!

漆の扱い方、銀粉の蒔き方など丁寧に教えてもらえたことや、道具のお掃除の仕方がわかったこと。

各自が好きなデザイン・素材でできること。

自由に作業ができて、先生のメモ行き届いており、満足でした。

蒔絵キットを手に入れただけではどうして良いかわからなかったので(クラファンでちょっと検討していましたが)教えていただけてありがたいです。

型の写し方、色漆の作り方が知りたかったのでとてもよかったです。

参加者のみなさまにはそれぞれ、蒔絵・漆の技法に新たな発見があったようで嬉しく思います!
つぐつぐではこれからも、生徒様・参加様ひとりひとりに丁寧な指導を心がけていきます!

蒔絵キットを使ってみての感想

すでに世に出しましたが、使い勝手など大丈夫だったかな…

色を作る粉が揃っているところや、筆・手袋も付いていて、図案もついているところが使いやすいと思いました。

使用するものがそろっていて、とても良い。

すでに持っているものもあったが、色はたくさんあり使えそう。

まず箱がきれいでアガります。必要十分なのも素敵。

必要なものが揃っていてとても良いと思いました。

蒔絵を行うのに必要な道具・材料だけでなく、実際に蒔絵できるようデザインを図案集におさめたり、素材を準備したり、初心者が取り組みやすいよう細かな点にも配慮・工夫して開発した蒔絵キットでしたので、その特徴をご評価いただけてうれしいです!

ちなみに蒔絵キットはつぐつぐ恵比寿店・浅草店で販売中です!蒔絵キットだけ購入し、ご自宅でチャレンジすることも可能です!(1キット税込9,980円)

今後の蒔絵ワークショップで改善した方が良い点

今回いただいた意見は全て改善するつもりで、真摯な気持ちで聞いてみました…!

お教室に通われている方々の作品を見れたら完成の形がより想像できると思いました。

筆使いの練習ができるといいと思いました。

特にないですが、2回とかの選択肢があるとうれしいかも。

大変満足なのでうーんというところですが、柄の難易度が事前にわかると良いかもです(笑)

なるほど、忌憚のないご意見、ありがとうございました!
このお声を受けて、参加者の作品例を事前にたくさん見てイメージを膨らませられるよう取り組ませていただきます!また、最初から本番ではなく、最初に筆の運び方の練習を取り入れいようと思います!

そして、図案の難易度や大きさによりかかる時間にばらつきが出たことから、もちろん人によって作業スピードは異なるのですが、今後は、どの図案だったらどれくらいの時間がかかるかを、図案選びの時から提案させていただきます!(蒔絵は集中力のいる作業ですので、集中できるのは60-90分が限界かなと思いました)

また、1回の蒔絵ワークショップでできる蒔絵は、消し蒔絵のみ、あるいは、重ならない漆絵と、デザインが限られます。漆絵+消し蒔絵、あるいは色を重ねる漆絵にも挑戦したい方のために、2回目の受講もできるように工夫しようと思います!

つぐつぐの蒔絵ワークショップ(第一回)の満足度

気になる第一回蒔絵ワークショップの満足度は…

1(とても不満)〜5(とても満足)の評価中、5名全員から

5(最高得点) とても満足

のご回答をいただけました!!(とてもほっとしております…!!!)

蒔絵ワークショプを体験した参加者の作品

初心者として蒔絵ワークショップに参加されたみなさまの作品を紹介します!

(↑銀消し蒔絵、桜と青海波)
(↑緑と白の色漆による漆絵、草花。(まだ作成途中です。つぐつぐの金継ぎ教室の生徒様ですので、2回目として金継ぎ教室中に花の部分を銀蒔きする予定です!))
(↑黄色・緑・青の色漆による漆絵、草花と動物のリース型)
(↑銀消し蒔絵、文様ほか(まだ作成途中です。左下の木目の模様をもっと広げたいので、自宅で蒔絵キットで続きをされます))

今後も参加者の作品をアップしていき、皆様のつくりたい作品の考案の一助になればと思います!!

新しくなった蒔絵ワークショップの詳細

初心者OK!漆を使った本格的な蒔絵を体験できるワークショップです!

① 蒔絵ワークショップでできること

ご自分の器、あるいは当社が用意した器に、蒔絵でデザインできます
所要時間1.5〜2時間、伝統的な蒔絵を体験、食品安全法適合

①図案を選ぶ→②図案を素地に転写する→③色漆を作る→④色漆を塗る→⑤色漆または銀粉仕上げ

YouTube動画もあるのでチェックしてみてください!

【注意】蒔絵をした漆が完全に乾くには1〜2週間ほどかかるため、当日お持ち帰りができません。 当社の漆風呂で丁寧に乾かし、後日引き取りに来ていただくか、郵送にて返送します。

② 料金(つぐつぐの漆風呂で乾かすサービス付き!)

税込 9,900円 (蒔絵キットレンタル代込み。蒔絵キットはお持ち帰りになれません)

【お得な情報】当日店舗で「蒔絵キット」を購入した場合、キット定価9,980円→6,600円 (3,380円引き!)

※ 金額は前払いとなります

※ 漆の性質上、完全に乾くには1週間ほどかかるため、当日お持ち帰りができません。 来店による引き取りの場合は無料で、郵送で返送の場合は当日送料を頂戴します。

③用意する物

1. ご自分の器をお持ちいただけます!(なければ当社が用意しますが、1,100円くらいの素地料金がかかり、選択肢は少ないです)

【注意】素材によって、蒔絵がデザインできるものとできないものがあります。

(OK!) 蒔絵ができる器:漆器、漆以外の塗料でコーティングされた木材など

(できない) 釉薬のかかったツルツルした表面の陶器や磁器、ガラス、金属など

2. 蒔絵したい図案(デザイン)があれば切り抜きなどをお持ちください!(なければ当社が用意します)

【注意】

  • 当ワークショップは1日限定開催で、漆を乾かす時間の関係から、隣接しない色漆デザイン、あるいは銀仕上げのみのデザインのみとなります。
  • 色漆と銀仕上げの複合デザインや、色漆の上に色漆を重ねるデザインは時間を空けて2日に分けて作業が必要なため、当日完結することができませんが、6,600円で2回目の受講が可能です。
  • 2回目の受講日は、蒔絵ワークショップ開催日でもOKですが、つぐつぐがたくさん金継ぎ教室のどの時間でもお越しいただき作業できます!(週5日、11コマ開講中)

3. 漆が服につくと取れないので、汚れても良い服でお越しください。髪の長い方は束ねる髪留めがあると良いです。

④その他ご予約時の注意

【ご来店の遅れについて】

予約時間の15分を超えても来店されない場合は、誠に恐れ入りますが、無断キャンセルとさせていただきます。 やむを得ないご事情でご予約時間に遅れる場合は、判明した時点で早めにご連絡くださいませ。 ただし、ワークショップ終了時間の延長はできませんのでご了承ください。

【キャンセル規定】

  • 当日キャンセル:受講料の100%をご請求いたします。
  • 連絡のない状態での無断キャンセル:受講料の100%をご請求いたします。

今後の蒔絵ワークショップの開催日と予約方法

つぐつぐの蒔絵ワークショップのは、下記のサイトから24時間ご予約いただけます!
(恵比寿店と浅草店の2種類あるので、ご希望の店舗をご予約ください)

【恵比寿店】

【浅草店】

蒔絵ワークショップの様子の写真

蒔絵キットはつぐつぐ恵比寿店・浅草店で販売中です!蒔絵キットだけ購入し、ご自宅でチャレンジすることも可能です!(1キット税込9,980円)

どうぞよろしくお願いいたします!

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